「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
、彼にはその風が、彼の耳元を流れる度に、こう云う言葉を細々と囁《ささや》いて行くように思われた。「素
戔嗚《すさのお》よ。お前は何を探しているのだ。お前の探しているものは、この山の上にもなければ、あの部落....
「文芸的な、余りに文芸的な」より 著者:芥川竜之介
はない。しかも巨旦の妻の気もちや父を殺した後の巨旦の気もちは恐らくは現世にも通用するであらう。まして素
戔嗚《すさのを》の尊《みこと》の恋愛などは恐れながら有史以来少しも変らない××である。 近松の時代も....