「お富の貞操」より 著者:芥川竜之介
た。下谷町《したやまち》二丁目の小間物店、古河屋政兵衛《こがやせいべゑ》の立ち退いた跡には、台所の隅の
蚫貝《あはびがひ》の前に大きい牡の三毛猫が一匹静かに香箱《かうばこ》をつくつてゐた。 戸をしめ切つた....
「他計甚麽(竹島)雑誌」より 著者:松浦武四郎
郎光政君へ渡し給ふて之を拜領す伯耆民談。此年より兩商は將軍家の拜謁を辱ふして、時服を拜受し竹島の名産|
蚫《あはび》を奉貢す。後八九年を歴て兩商の内一名づゝを召して隔年の謁見に定めらる竹島圖説。 是によつ....