「大久保湖州」より 著者:芥川竜之介
のである。これは言葉の穿鑿《せんさく》だけすれば、凡人たらざる半面と共に凡人たる半面をも指摘するのと毫
釐《がうり》の相違に過ぎないかも知れない。が、事実は千里の山河を隔絶したにもひとしい相違である。凡人た....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
が、例えば22が4というは欺くべからざる確実の数理であっても、科学者が天体を観測するに方《あた》って毫
釐《ごうり》の違算がしばしば何千万億の錯誤を来《きた》すと同様に、眼前の研究にもまた同じ誤算がないとは....