「初雪」より 著者:秋田滋
れるような期待とか希望、そんなものが何か自分にもあるだろうか? そんなものは一つとして無かった。彼女が
診《み》てもらった医者は、子供は一生出来まいと云った。 前の年よりも一しお厳しい、一しお身に浸《し》....
「南洲手抄言志録」より 著者:秋月種樹
。須らく自ら認《みと》め得んことを要すべし。 〔評〕南洲|胃《い》を病む。英醫|偉利斯《いりす》之を
診《しん》して、勞動《らうどう》を勸《すゝ》む。南洲是より山野に游獵《いうれふ》せり。人或は病なくして....
「或阿呆の一生」より 著者:芥川竜之介
病 彼は不眠症に襲はれ出した。のみならず体力も衰へはじめた。何人かの医者は彼の病にそれぞれ二三の
診断を下した。――胃酸過多、胃アトニイ、乾性|肋膜炎《ろくまくえん》、神経衰弱、慢性結膜炎、脳疲労、…....