「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
きょとと見廻わしているばかりでした。 その日の夕方、日の陰《かげ》る頃を見計って朝太郎の吉松殿は、牡
丹《ぼたん》に丸の定紋《じょうもん》のついた、立派な駕籠《かご》に乗せられて、城下の方へつれて行かれま....
「南洲手抄言志録」より 著者:秋月種樹
ひそ》かに聲息《せいそく》を江戸に通《つう》ず。尾《び》公之を患《うれ》へ、田中|不二麿《ふじまろ》、
丹羽淳太郎等と議して、大義|親《しん》を滅《ほろぼ》すの令を下す、實に已むことを得ざるの擧《きよ》に出....
「案頭の書」より 著者:芥川竜之介
やま》にわけ登り」しが、偶《たまたま》玉貌《ぎよくばう》の仙女《せんぢよ》と逢ひ、一粒《いちりふ》の金
丹《きんたん》を服するを得たり。「ありがたくおし頂きてのむに、忽ち其身雪霜の消ゆる如くみぢみぢとなつて....