「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
である。 科学者の中で、特にファラデーを選んだ理由は、第一に彼は大学教育を受けなかった人で、全くの丁
稚小僧から成り上ったのだ。学界にでは家柄とか情実とかいうものの力によることがない、腕一本でやれるという....
「百万人のそして唯一人の文学」より 著者:青野季吉
する段階にすぎないと、この人達は合点《がてん》してゐるらしい。驚くべきことである。戦前までは、どんな幼
稚な文学青年にも、こんな錯誤はみられなかつた。これも戦後現象の一つで、純小説と通俗小説の限界が曖昧にな....
「あの頃の自分の事」より 著者:芥川竜之介
、氏の「妻」や「田舎教師」が如何《いか》に退屈であるにしても、乃至《ないし》又氏の平面描写論が如何に幼
稚であるにしても、確に我々後輩の敬意――とまで行かなければ、少くとも興味位は惹《ひ》くに足る人物だつた....