「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、ファラデーは年に一千ポンド近くも収入があったが、家庭で費したのはこの半分くらいとしか思われぬし、別に
貯金もしなかったからだ。ファラデーの頃には、グリニッチの天文台長の収入が年に一千ポンド位。また近頃では....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
われて、造化広大の恩人も木も石も金もともに燬《や》くるかと疑わるる炎暑の候にまたかくの如く無尽の涼味を
貯えて人の取るに任すとは有難き事なりと、古人の作中、得意の詩や歌を誦するともなく謡うともなくうめきなが....
「或旧友へ送る手記」より 著者:芥川竜之介
たちは僕の死後には僕の遺産に手《た》よらなければならぬ。僕の遺産は百坪の土地と僕の家と僕の著作権と僕の
貯金二千円のあるだけである。僕は僕の自殺した為に僕の家の売れないことを苦にした。従つて別荘の一つもある....