「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
が、見ごとにいく皿もならび、鰊《にしん》の照り焼、鶏《とり》の蒸し焼はいわずもがな。ミルクやクリームの
鉢もそなわり、今わたしが数えあげたように、一切がっさい混沌《こんとん》としており、しかもその真中からは....
「菊の根分をしながら」より 著者:会津八一
いふ時です。私も東京の市中を離れた此の武蔵野の畑の最中に住んで居るから、今日は庭の隅に片寄せてある菊の
鉢を取り出して、この秋を楽しむ為に菊の根分をしようとして居るところです。実は私は久しいこと菊を作つて居....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
きたる座蒲団よりすべりてその茶碗を取らんとするとき、女はオオと驚くに予も心付きてヤヤと愕きたり。「蘭の
鉢を庭へ出せよ」と物柔らかに命じながら主公出で来られぬ。座を下りて平伏すれば、「イヤ御遠慮あるな伯父ご....