「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
雲集した。しかし財政は依然として余り楽《らく》にもならず、後で述べるように、デビーが欧洲大陸へ旅行した
留守中につぶれかけたこともあり、一八三〇年頃までは中々に苦しかった。 かように、一方では大学に似て、....
「一片の石」より 著者:会津八一
に縋り、石を崇め、石を拝む。この心から城壁も、祭壇も、神像も、殿堂も、石で作られた。いつまでもこの世に
留めたいと思ふ物を作るために、東洋でも、西洋でも、あるひは何処の極《はて》でも、昔から人間が努めてゐる....
「拓本の話」より 著者:会津八一
場合が多いのに、拓本はいつも實物大で、しかも實物とわづかに濡れ紙一重を隔てたばかりの親しみの深い印象を
留めて居る。拓本が持つ此強い聯想は到底寫眞の企て及ぶところでない。 話が前へ戻つて繰り返へすやうにな....