「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ふに若かず。こゝに佳《よ》き牀《とこ》あり。それのみならず、來歴ある好き衾《ふすま》をも借し參らせん。
巽風《シロツコ》吹く頃の夕立をも、雪ふゞきをも凌《しの》ぎし衾ぞとて、壁よりはづして投げ掛くるは、褐色....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
んざん》の頂を望んで、ほとんど無辺際に投げたのです、と言った。 ――汽車は赤城山《あかぎさん》をその
巽《たつみ》の窓に望んで、広漠たる原野の末を貫いていたのであった。―― 渠《かれ》は電信技師である。....