「拓本の話」より 著者:会津八一
ぬと騒ぐのに、他の一枚はたゞで貰つてもほしく無いといふやうな話も出て來る。漢の時代に建てられた西嶽崋山
廟の碑は、實物は今は無くなつて了つてゐるのであるが、明時代に取つた拓本が一二枚今日迄遺つて居る。これな....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
なぜ》か、いささか狼狽《ろうばい》したらしい。「それは強いことは強いです。何しろ塗山《とざん》の禹王
廟《うおうびょう》にある石の鼎《かなえ》さえ枉《ま》げると云うのですからな。現に今日の戦《いくさ》でも....
「木曽義仲論」より 著者:芥川竜之介
中心として組織したる社会にして、是に至る、焉ぞ傾倒を来さざるを得むや。平氏が藤門の長袖公卿を追ひて一門
廟廊に満つるの成功を恣にせるは、唯彼等が剛健なりしを以て也。唯彼等が粗野なりしを以て也。唯彼等が菜根を....