「三太郎の日記 第三」より 著者:阿部次郎
も疑惑も要するに通り過ぎる雲だ。僕は自分の生活の肌をすつかりむき出しにして、天と人と、敵と味方との前に
玲瓏として突立つてゐられるやうになりたい。 B 君のやうに自分の生活を愛惜する人が、衆愚の前に自分の....
「三太郎の日記 第二」より 著者:阿部次郎
ざるのみならず、批評家そのものを益することでも亦ないのであつた。彼は無用の拘泥が天地と自己とを前にして
玲瓏として生きむとする生活を曇らして、彼の進み行かむとする沈潛の道に妨礙を置いてゐることを悲しいと思つ....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
舷に倚りて水を望めば、一塊の石、一叢の藻、歴々として數ふべく、晴れたる日の空氣といへども、恐らくはこの
玲瓏《れいろう》透徹なからんとぞおもはるゝ。 カプリの島は唯だ一面の近づくべきあるのみ。その他は皆|....