「芋粥」より 著者:芥川竜之介
れる為にのみ生れて来た人間で、別に何の希望も持つてゐないかと云ふと、さうでもない。五位は五六年前から芋
粥《いもがゆ》と云ふ物に、異常な執着を持つてゐる。芋
粥とは山の芋を中に切込んで、それを甘葛《あまづら》....
「運」より 著者:芥川竜之介
云うのも、その日暮しの貧乏人なのでございますが、絹の一疋もやったからでございましょう、湯を沸かすやら、
粥《かゆ》を煮るやら、いろいろ経営《けいえい》してくれたそうでございます。そこで、娘も漸《ようや》く、....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
ちゅう」で「さかむし」ではない。気になるから、書き加える。(新思潮第六号)○僕は新小説の九月号に「芋
粥《いもがゆ》」という小説を書いた。○まだあき地があるそうだから、もう少し書く。松岡の手紙によると、....