「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ていた。道の一方の、小川が森に流れこむほうの側には、樫《かし》や栗《くり》の木立に野葡萄《のぶどう》の
蔓《つる》が厚くからみついて、あたりを洞穴のように真暗にしていた。この橋をわたるのは、世にもつらい責苦....
「芋粥」より 著者:芥川竜之介
、その弓で指さす方を、眺めて見た。元より人の姿が見えるやうな所ではない。唯、野葡萄《のぶだう》か何かの
蔓《つる》が、灌木の一むらにからみついてゐる中を、一疋の狐が、暖かな毛の色を、傾きかけた日に曝《さら》....
「貝殻」より 著者:芥川竜之介
》てに届けたもの、――桜の実《み》、笹餅、土瓶《どびん》へ入れた河鹿《かじか》が十六匹、それから土瓶の
蔓に結《むす》びつけた走り書きの手紙が一本。 その手紙の一節はかうである。――「この河鹿《かじか》は....