「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
なる一人ならん。然れども君の微笑のうちには全生活を感ずることなきにあらず。微苦笑とは久米正雄君の日本語
彙に加えたる新熟語なり。久保田君の時に浮ぶる微笑も微苦笑と称するを妨げざるべし。唯僕をして云わしむれば....
「骨董羹」より 著者:芥川竜之介
こうていくわ》の如き、倒澆燭《たうげうしよく》の如き、金瓶梅《きんぺいばい》肉蒲団《にくぶとん》中の語
彙《ごゐ》を借りて一篇の小説を作らん時、善くその淫褻《いんせつ》俗を壊《やぶ》るを看破すべき検閲官の数....
「続文芸的な、余りに文芸的な」より 著者:芥川竜之介
あることはハムズンを待たなければならなかつたのである。何と云ふ僕等の間抜けさ加減! 七 語
彙「夜明け」と云ふ意味の「平明」はいつか「手のこまない」と云ふ意味に変り、「死んだ父」と云ふ意味の....