「西航日録」より 著者:井上円了
タリアの山脈を望み、夜に入りてメッシナ海峡を通過す。ときに晩望の詩あり。 峡間船欲入、山影落闌干、雲
嶂晩来霽、満天雪色寒。 (メッシナ海峡に船はさしかかれば、山の影は船の闌干にうつる。雲のかかった山の峰....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
岳の雲をつきて屏立するありて、すこぶる風致に富む。 船入西陽|尾後《ビゴ》津、一円邱畔屋成隣、回首青
嶂衝雲立、満目風光洗客塵。 (船は西陽《スペイン》のビゴ港に入る。一つの円丘のような山あたり石屋が隣り....
「絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
とするならば、その師匠こそこの世で唯一人の頼む人で他には比較されるべき人さえない筈なのです。 西山翠
嶂さんの容子や言葉扱いが、ふとするとそっくり栖鳳先生に似通ったもののあるのを感じさせられますが、師弟の....