「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
》の杜光庭《とこうてい》であります。杜光庭は方士《ほうし》で、学者で、唐の末から五代に流れ込み、蜀王の
昶《しょう》に親任された人物です。申すまでもなく、この時代の蜀は正統ではありません、乱世に乗じて自立し....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
んなのを話した事がありましたっけ。――何んでも、自分の身体の中から侏儒の様な自分が脱け出して行って、慈
昶君の面皰《にきび》を一々丹念に潰して行くのです。そして全部潰し終ると、顔の皮を剥いで大切そうに懐中に....
「大秦景教流行中国碑に就いて」より 著者:桑原隲蔵
碑の僞造であり得ざることを保證して居る。ワイリは支那の有名な金石學者、例へば顧炎武とか、錢大※とか、王
昶とかいふ人達の、この碑に關する考證を紹介し、支那の學者は一人も、この碑の眞物たることを疑ふ者がないと....