「万葉集に現れた古代信仰」より 著者:折口信夫
いての考察に、一つの別の立場を作るのも、思索上のよい稽古になると思ひます。万葉集に、 むらさきの 粉
滷《コガタ》の海にかづく鳥。玉かづきいでば、わが玉にせむ(三八七〇) といふ歌があります。おなじ万葉....
「人々に答ふ」より 著者:正岡子規
ゆうちいでて見れば真白にぞ不尽《ふじ》の高嶺《たかね》に雪はふりける」「わかの浦に汐《しお》満ちくれば
滷《かた》をなみ蘆辺《あしべ》をさしてたづ鳴きわたる」などといふ歌ありて、人も名歌とし、われらも爾《し....