「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
の開ける事件が起った。それはデビーが欧洲大陸を旅行するという事件で、デビーはナポレオン皇帝から特別の旅
券をもらい、夫人同伴で旅行する。そしてファラデーを書記として伴うことになった。 一八一三年九月に旅行....
「骨董羹」より 著者:芥川竜之介
遇の士の黄白《くわうはく》に裕《ゆたか》なる筈なければ、やむ無く一株《ひとかぶ》六十|法《フラン》の債
券を同人に募りしかど、その唯一《ゆゐいち》の大《おほ》株主たるジユウル・ルナアルが持株すら僅々《きんき....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
の匂《にお》うのを感じ、いつかしみじみと彼女の生まれた田舎《いなか》のことを思い出していた。五十円の債
券を二三枚買って「これでも不動産《ふどうさん》(!)が殖《ふ》えたのだからね」などと得意になっていた母....