「一塊の土」より 著者:芥川竜之介
出来ないのだつた。「直《すぐ》と風呂へはえんなよ。」「風呂よりもわしは腹が減つてるよ。どら、さきに
藷《いも》でも食ふべえ。――煮てあるらあねえ? おばあさん。」 お住はよちよち流し元へ行き、惣菜《そ....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ぬ。當時わが目にとまりしは、方《けた》なる形に作りたる圓柱の廊なりき。廊に圍まれたるは小《ちさ》き馬鈴
藷圃《ばれいしよばたけ》にて、そこにはいとすぎ(チプレツソオ)の木二株、檸檬《リモネ》の木一株立てりき....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
売るのは果もの類。桃は遅い。小さな梨、粒林檎《つぶりんご》、栗《くり》は生のまま……うでたのは、甘
藷《さつまいも》とともに店が違う。……奥州辺とは事かわって、加越《かえつ》のあの辺に朱実《あけび》はほ....