「鴉片」より 著者:芥川竜之介
膏血を搾取して地上山陵原隰墳衍の神に転付し、この膏血をして罌粟の花根内に灌ぎ入らしめ、根よりして上は花
苞に達せしむれば、則ちその汁も自然に濃郁にして、一たび熬錬を経れば、光色黝然たらん。子試みに之を識れ。....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
酒をひさげて、急ぎて家にかへりぬ。 大祭日には、母につきてをぢがり祝《よろこび》にゆきぬ。その折には
苞苴《みやげ》もてゆくことなるが、そはをぢが嗜《たしな》めるおほ房の葡萄二つ三つか、さらずば砂糖につけ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
な輪を垂らした。つづく下枝の節の処へ、構わない、足が重《かさな》るまでも一所に踏掛けて、人形の首を、藁
苞《わらづと》にさして、打交《ぶっちが》えた形に、両方から覗《のぞ》いて、咽喉《のど》に嵌《は》めて、....