「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
に、果しておりたり。一同傚いて、行く行くこれを捕う。大さ一寸|乃至《ないし》二寸、身は蝦《えび》にて、
螯《はさみ》だけが蟹也。この夜、渓畔に天幕を張り、これを煮て食う。旨しとは思わざるが、ともかくも余には....
「南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
るので、どうも見劣《みおと》りがしていけない。それよりもはなびしがにの方がよほど上出来である。この蟹は
螯脚《こうきゃく》がむやみと大きく、それが小さい甲羅《こうら》から二本ぬっと出ている姿は、まるで団子《....