「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
に反《そむ》いているので、噂に聞く天狗の翼だか、それとも天竺《てんじく》にあると云う火鼠《ひねずみ》の
裘《けごろも》だかわかりません。―― この容子を見た私どもは、云わず語らず両方から沙門《しゃもん》の....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
《よ》いのです。 使 では何でも云いつけて下さい。あなたの欲しいものは何ですか? 火鼠《ひねずみ》の
裘《かわごろも》ですか、蓬莱《ほうらい》の玉の枝ですか、それとも燕《つばめ》の子安貝《こやすがい》です....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
なかりき。憾《うら》むらくは、かゝる時の長からぬことよ。かゝる日には年ゆたかなる兆《きざし》とて、羊の
裘《かはころも》きたる農夫ども、手を拍《う》ちて「トリイトン」のめぐりを踊りまはりき。噴き出づる水に雨....