「駅伝馬車」より 著者:アーヴィングワシントン
大きいのは外套の重ね着をしてゐるからで、その中に埋つてゐる恰好はコーリフラワのやう、一番上の外套の裾は
踵まで屆いてゐる。冠つてゐる帽子は鍔がひろく山が低い。大きくくるくる頸に卷いた染色のハンカチーフは利い....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ったのは事実だが、今度は道の向う側の茨《いばら》やはんの木のしげみに飛びこんだ。先生は今や鞭《むち》と
踵《かかと》と両方使って、年とったガンパウダーのやせほそった脇腹《わきばら》を滅多打ちにした。馬は、鼻....
「あの頃の自分の事」より 著者:芥川竜之介
の天窓を開け放つて、爽《さわやか》な空気を入れた事を愉快に感じてゐるものだつた。恐らくこの愉快は、氏の
踵《くびす》に接して来た我々の時代、或は我々以後の時代の青年のみが、特に痛感した心もちだらう。だから我....