「親ごころ」より 著者:秋田滋
って弁当をつかっている百姓の一団を見かけると、一片《ひときれ》の麪麭《パン》をねだった。そして二人は、
溝のふちにしょんぼり肩を並べて坐って、黙々とそれを食べていた。 夫婦の悲しい身の上ばなしを聞かされた....
「狂女」より 著者:秋田滋
を、既に四五羽は射ち落していた。その時だった。僕は山※をまた一羽射とめたのだが、そいつが木の枝の繁った
溝のようなところに落ちて見えなくなってしまった。で、僕はやむなくその獲物を拾いにそこへ降りていった。獲....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
ってしまった。 私の心臓は早鐘を打つようにどきどきした。ああ、いつかの小鳥の心臓! 私は子供の死体を
溝に投げ込んでそれを草で蔽うた。 それから、私は家に帰り、食事をした。食事は美味《うま》かった。なん....