「金色夜叉」より 著者:尾崎紅葉
た》りて人の叫ぶが聞えぬ、間貫一は二人の曲者《くせもの》に囲れたるなり。一人《いちにん》は黒の中折帽の
鐔《つば》を目深《まぶか》に引下《ひきおろ》し、鼠色《ねずみいろ》の毛糸の衿巻《えりまき》に半面を裹《....
「支那の孝道殊に法律上より観たる支那の孝道」より 著者:桑原隲蔵
義の約束の下に立ち、この點では何等俗人と區別がなくなつた。 北宋の名僧の契嵩に「孝論」がある。彼の『
鐔津文集』(『縮刷藏經』露帙一所收)卷三に收録されて居る。佛教が東漸して以來、儒家から反對を受けた場合....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
えて飛び起きさまに道具箱へ手を突っ込んだは半分夢で半分|現《うつつ》、眼が全く覚めて見ますれば指の先を
鐔鑿《つばのみ》につっかけて怪我をしながら道具箱につかまって、いつの間にか夜具の中から出ていたつまらな....