「骨董羹」より 著者:芥川竜之介
せいてい》を暗殺したる秘史の翻案に外ならずと云ふ。崑崙外史《こんろんぐわいし》の題詞に、「董狐豈独人倫
鑒《とうこあにひとりじんりんのかんならんや》」と云へる、亦《また》這般《しやはん》の消息を洩らせるもの....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
に舊知なるごとく思はる。されど姫は却りてこれを知ること我より深かりき。姫は生れながらの官能に養ひ得たる
鑒識《かんしき》をさへ具へたれば、その妙處として指し示すところは悉く我を服せしめ、我にその神會《しんゑ....
「遺稿」より 著者:泉鏡花
聞することが少しばかり後れたのである。 實は、怪を語れば怪至る、風説をすれば影がさす――先哲の識語に
鑒みて、温泉宿には薄暗い長廊下が續く處、人の居ない百疊敷などがあるから、逗留中、取り出ては大提灯の怪を....