「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
バッドは広間に入った。そこが邸の中心で、ふだんは居間になっているところだった。ここでは、ぴかぴか光る白
鑞《しろめ》の器が長い食器戸棚にいく列も並んでおり、目も眩《まばゆ》いほどだった。一隅に羊毛の大袋があ....
「バルタザアル」より 著者:芥川竜之介
めた理由は蓋し是にあつたのである。 居酒屋の亭主の仲間は、側へは寄りつかずに、酒場の隅から油壺だの白
鑞をひいた皿小鉢だの火のついたランプだのを抛りつける。仕舞には羊が丸ごと煮えてゐた大きな青銅《からかね....
「海潮音」より 著者:上田敏
これや時鐘《とけい》の忍足《しのびあし》。 硝子《がらす》の葢《ふた》の後《うしろ》には、白
鑞《しろめ》の面《おもて》飾なく、 花形模様色|褪《さ》めて、時の数字もさらぼひぬ。 人の気《け》絶《....