「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
たとい客が来ておろうと、そんな事にはかまわない。八時になれば、さっさと用をやめて、自分の室に帰るなり、
私用で外出するなりする。特別の場合で、下女が承知すれば用をさせるが、そのときは特別の手当をやらねばなら....
「一片の石」より 著者:会津八一
ことを考へると、ほんとに悲しくなる。もし百年の後にここへ来て、今の我々を思ひ出してくれる人があるなら、
私の魂魄は必ずここへ登つて来る、と嘆いたものだ。そこでその友人が、いやあなたのやうに功績の大きな、感化....
「菊の根分をしながら」より 著者:会津八一
昨日が所謂彼岸の中日でした。吾々のやうに田舎に住むものの生活が、これから始まるといふ時です。
私も東京の市中を離れた此の武蔵野の畑の最中に住んで居るから、今日は庭の隅に片寄せてある菊の鉢を取り出し....