「一片の石」より 著者:会津八一
い学生の手にもそれを見ることがある。だから、大昔から、人間の深い期待にもかかはらず、石は案外脆いもので
寿命はかへつて紙墨にも及ばないから、人間はもつと確かなものに憑らなければならぬ、と云ふことが出来やう。....
「木曽義仲論」より 著者:芥川竜之介
平治の乱以来、茲に十八星霜、平氏は此陰謀に於て、始めて其存在の価値を問はむとするものに遭遇したり。是、
寿永元暦の革命が、漸くに其光茫を現さむとするを徴するものにあらずや。かくの如くにして、平氏政府は、浮....
「骨董羹」より 著者:芥川竜之介
また》実を伝へて、必《かならず》しもピロンが所謂《いはゆる》、前人未発の業と做《な》す可《べか》らず。
寿陵余子《じゆりようよし》生れてこの季世にあり。ピロンたるも亦《また》難いかな。(三月四日) ....