「案頭の書」より 著者:芥川竜之介
、(中略)ああ天我をほろぼすかと泪《なみだ》と雪に袖《そで》をぬらし、是非《ぜひ》なく/\も帰る道筋、
縄《なは》からげの小桶《こをけ》壱《ひと》つ、何ならんと取上げ見れば、孝子三八に賜《たまは》ると書付は....
「運」より 著者:芥川竜之介
が五六人、それに看督長《かどのおさ》が一人ついて、物々しげに通りました。それからその連中にかこまれて、
縄にかかった男が一人、所々|裂《さ》けた水干を着て烏帽子《えぼし》もかぶらず、曳かれて参ります。どうも....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
のために、飼桶《かいおけ》に水が湛《たた》えられている。役人は互に頷《うなず》き合いながら、孫七夫婦に
縄《なわ》をかけた。おぎんも同時に括《くく》り上げられた。しかし彼等は三人とも、全然悪びれる気色《けし....