「駅伝馬車」より 著者:アーヴィングワシントン
悲哀を知らなかつたのだ、そして休暇は地上の幸福の絶頂であつたのだ。わたしたちの馬車は數分間止まつて馬に
水を飮ませた後、再び旅をつづけ、ある曲角《まがりかど》をまがると、小ざつぱりとした邸宅の見えるところへ....
「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
此處煌いてゐるのは、月光が凍つた結晶體に反射してゐたのである。そして離れたところから見れば、薄い透明な
水蒸氣が忍び足して低地から這ひ騰り、次第にこの風景を蔽ひ包まうとするのであつた。わたしの同伴者は恍惚と....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
み、絶えず変化しているが、その大きな急流もこの渓谷にはまったく気づかれずに流れてゆくのだ。そこは静かな
水の片隅のようなもので、急流と境を接しているのに、藁《わら》くずや泡が静かにたゆたっていたり、あるいは....