「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
会に寄附され、今日も保存されてある。 ファラデーはタタムの講義をきくにつれて、筆記を取り、後で立派に
清書して、節を切り、実験や器械の図をも入れ、索引を附して四冊とし、主人のリボーに献ずる由を書き加えた。....
「隅田の春」より 著者:饗庭篁村
へだ》てゝ掻《か》きならす爪音《つまおと》、いにしへの物語ぶみ、そのまゝの趣《おもむき》ありて身も心も
清《きよ》く覚《おぼ》えたり、此《こ》の帰るさ、またもとの俗骨《ぞくこつ》にかへり、我《われ》も詩を作....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
心掛けたまえ、それ迄は狭くとも堪《こらえ》てここに居りたまえ」と頼もしく言われたり。この家は裏家なれど
清く住なし何業とはなけれど豊げなり。後に聞けばその辺三四ヶ所の地所家作の差配《さはい》をなす者なりとぞ....