「一片の石」より 著者:会津八一
飲みながら、友人と詩などを作つて楽しんだものであるが、ある時、ふと同行の友人に向つて、一体この山は、宇
宙開闢の初めからあるのだから、昔からずゐぶん偉い人たちも遊びにやつて来てゐるわけだ。それがみんな湮滅し....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
は出ず。やがて九時にもならんとする頃一鞭あてて走り出せしが、そのガタガタさその危なさ腰を馬車台に打ちて
宙に跳ね上りあたかも人間を鞠《まり》にして弄《もてあそ》ぶが如し。目は眩《くら》み腹は揉《も》める。死....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
丸の墓があって、人魂が飛ぶと云われた淋しいあたり、鉄道自殺と云えば地蔵松原を連想する程で、久作さんの『
宙を飛ぶパラソル』はこのあたりでの出来ごとである――の果て近くまで論じ来り、遂いに淋しい松根に御輿をす....