「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ごはっと》の武器が、なまけものの腕白小僧からとりあげられて置いてあった。かじりかけの林檎《りんご》や、
豆鉄砲やら、独楽《こま》、蠅《はえ》とり籠《かご》、そのほか跳ねあがる紙の鶏がたくさんあった。見たとこ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
んと十時ごろより立ち出で、観音へ参詣して吾妻橋の上へ来り。四方を眺むれば橋の袂に焼くもろこしの匂い、煎
豆《いりまめ》の音、氷屋の呼声かえッて熱さを加え、立売の西瓜《すいか》日を視るの想あり。半ば渡りて立止....
「あの頃の自分の事」より 著者:芥川竜之介
上には原稿用紙が乱雑に重なり合つてゐた。と思ふと机の下には、古新聞を敷いた上に、夥《おびただ》しい南京
豆の皮が、杉形《すぎなり》に高く盛り上つてゐた。自分はすぐに松岡が書くと云つてゐる、三幕物の戯曲の事を....