「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
りの手帳にも、一八一五年三月七日の条に、「ボナパルトが、再び自由を得た(すなわちナポレオン一世がエルバ
島を脱出したことを指す)由なるも、自分は政治家でないから別に心配もしない。しかし、多分欧洲の時局に大影....
「隅田の春」より 著者:饗庭篁村
送るに、兼《か》ねて此壮図《このさうと》に随行《ずゐかう》して其景況《そのけいきやう》並《なら》びに千
島《ちしま》の模様《もやう》を委《くは》しく探《さぐ》りて、世間《せけん》に報道《はうだう》せんとて自....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
が先夜吾妻橋にて死をとどめたる女なりし。主公は予をまた車夫に命じて抱き止めさせし人なりし。小女は浅草清
島町という所の細民《さいみん》の娘なり。形は小さなれど年は十五にて怜悧《れいり》なり。かの事ありしのち....