「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
をあんなに覚えていたものだと、感心した人もある。 ファラデーは神がこの世界を支配することに関して、系
統的に考えたことは無いらしい。ニュートンやカントはそれを考えたのであるが。ファラデーのやり方は、科学と....
「支那の明器」より 著者:会津八一
地を祀る祭器としての銅器や、装身具としての玉器や、仏教の偶像だけしか無かつた支那美術の畠に、それこそ本
統に人間らしい、柔らかい感じの、気のおけない人間生活の彫刻が現はれたわけである。そこで美術上からも考古....
「百万人のそして唯一人の文学」より 著者:青野季吉
通俗小説は、寛、有三、国士《くにを》、鉄兵などを経て発展したもので、昔の新聞小説の特別席と追ひ込み席を
統一し、乃至は、双方を吸収したもののやうに観《み》られたりする。形の上ではさう云へるかも知れないが、実....