「隅田の春」より 著者:饗庭篁村
いあん》、梅《うめ》一|本《ぽん》の寄附主《きふぬし》が、和尚《おしよう》如何《どう》だナ抔《など》と
扶持《ふち》でもして置《お》くやうに巾《はゞ》を利《き》かせて、茶の呑倒《のみたふ》しを、コレハ先生よ....
「開化の殺人」より 著者:芥川竜之介
ざるを得んや。既に彼を存するの風を頽《おと》し俗を濫《みだ》る所以《ゆゑん》なるを知り、彼を除くの老を
扶《たす》け幼を憐む所以なるを知る。是に於て予が殺害の意志たりしものは、徐《おもむろ》に殺害の計画と変....
「かちかち山」より 著者:芥川竜之介
ゐる、白い舟には、兎が乗つてゐるのではなからうか。 老人は、涙にぬれた眼をかがやかせて、海の上の兎を
扶《たす》けるやうに、高く両の手をさしあげた。 見よ。それと共に、花のない桜の木には、貝殻《かひがら....