「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
より、大体の推測《すいそく》は下《くだ》せぬこともない。わたしは馬政紀《ばせいき》、馬記《ばき》、元享
療牛馬駝集《げんきょうりょうぎゅうばだしゅう》、伯楽相馬経《はくらくそうばきょう》等の諸書に従い、彼の....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
験《こうけん》は見えない。のみならず次第に衰弱する。その上この頃は不如意《ふにょい》のため、思うように
療治《りょうじ》をさせることも出来ない。聞けば南蛮寺《なんばんじ》の神父の医方《いほう》は白癩《びゃく....
「開化の殺人」より 著者:芥川竜之介
抛棄《はうき》せしめ、加之《しかのみならず》予が父の病院内に、一個新帰朝のドクトルとして、多数患者の診
療に忙殺さる可き、退屈なる椅子に倚《よ》らしめ了《をは》りぬ。 是に於て予は予の失恋の慰藉《ゐしや》....