「一片の石」より 著者:会津八一
が、少し古いところは、作られた数に較べると、千に一つにも当らない。つまり、石といへども、千年の風霜に曝
露されて、平気でゐるものではない。それに野火や山火事が崩壊を早めることもある。いかに立派な墓や石碑でも....
「菊の根分をしながら」より 著者:会津八一
何でも無いけれども、今日はあまりに気候の心地よさに、歌のやうなものが少しばかり出来た。それを此所で御披
露に及ぶといふことにしよう。 さ庭べの菊の古根も打ち返へし分ち植うべき春は来にけり 菊植うと下り立つ....
「隅田の春」より 著者:饗庭篁村
》の河岸《かし》、車の輪も廻《まは》らぬほど雑沓《こみあひ》たり、大尉《たいゐ》は予《よ》が友《とも》
露伴氏《ろはんし》の実兄《じつけい》なり、また此行中《このかうちう》に我《わが》社員《しやゐん》あれば....