「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
の内職をすて、」]宴会はもとより学会にも出ないで、専心研究に従事した時代は感嘆するの外はない、晩年に感
覚も鈍り、ぼんやりと椅子《いす》にかかりて、西向きの室から外を眺めつつ日を暮らし、終に眠るがごとくにこ....
「隅田の春」より 著者:饗庭篁村
《か》きならす爪音《つまおと》、いにしへの物語ぶみ、そのまゝの趣《おもむき》ありて身も心も清《きよ》く
覚《おぼ》えたり、此《こ》の帰るさ、またもとの俗骨《ぞくこつ》にかへり、我《われ》も詩を作る事《こと》....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
に愛せられて、幼きより手習《てならい》学問のこと、皆な伯父の世話なりし。自ら言うは異な事なれど、予は物
覚えよく、一を聞て二三は知るほどなりしゆえ、伯父はなお身を入れてこの子こそ穂垂という家の苗字を世に知ら....