「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
上には、甲冑をつけて白馬の側に立つた武士《ものゝふ》の肖像が掛つて居り、それと向ひ合つた側の壁には兜と
楯と槍が掛つてゐた。室の一端には非常に大きな鹿の角が壁の中に嵌め込んであつて、その鹿叉は帽子や鞭や拍車....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
は彼の日記の中に絶えずこの困難を痛嘆している。「七月×日 俺の大敵は常子である。俺は文化生活の必要を
楯《たて》に、たった一つの日本間《にほんま》をもとうとう西洋間《せいようま》にしてしまった。こうすれば....
「河童」より 著者:芥川竜之介
厳を保ちながら、細い目を凄まじく赫《かが》やかせてゐました。僕は――僕も勿論危険を避ける為にトツクを小
楯にとつてゐたものです。が、やはり好奇心に駆られ、熱心にマツグと話しつづけました。 「そんな検閲は乱暴....