「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の上にひろびろと枝をひろげ、その根かたには泉があって、甘い柔かい水がごぼごぼと湧《わ》きだして、小さな
樽形《たるがた》の井戸からあふれ、きらきら光りながら草地のなかを通って、近くの小川に注いでいた。その小....
「老いたる素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
つたより、薄明く見えるやうになつた。 その薄明りに透《すか》して見ると、室の天井からは幾つとなく、大
樽程の蜂の巣が下つてゐた。しかもその又巣のまはりには、彼の腰に下げた高麗剣より、更に一かさ大きい蜂が、....
「講演軍記」より 著者:芥川竜之介
ことわ》つてくれたから、おかげ様で大助かりだつた。 改造社の山本実彦《やまもとさねひこ》君は僕等の小
樽《をたる》にゐた時に電報を打つてよこした。こちらはその返電に「クルシイクルシイヘトヘトダ」と打つた。....