「駅伝馬車」より 著者:アーヴィングワシントン
自慢はそれが極上の布地で拵へてあることで、一見したところ粗大な風體のやうであるが、見別ける段になると、
殆どイギリス人の天性と云つていい、あの身だしなみが判る。彼は大手を振つて道を行く。あちこちで村のおかみ....
「クリスマス・イーヴ」より 著者:アーヴィングワシントン
大な角柱は頂上に一家の紋章をめぐらしてあつた。門に接しては番人の家があつたが、鬱蒼たる樅の樹蔭に隱れ、
殆ど植込の中に埋つてゐた。 馭者は門番の大きな鐘を鳴した、鐘の音は靜かな凍てついた空氣の中でりんりん....
「支那の明器」より 著者:会津八一
発掘した欧人の技師が初めて見つけ出して、それからだんだん北京の骨董店などに現はれることになつた。最初は
殆んど市価のないものであつた。それを有名な考古学者の羅振玉氏が買ひ蒐めて後に『古明器図録』といふ図録を....