「三太郎の日記 第一」より 著者:阿部次郎
に成立しないのである。自分の嘗て經驗したる崇高は自然と面接して其威力と融合し得たる雄偉なる先人の魂を掩
堡として、藝術品の影に身を潛めつゝ、親の手に縋り乍ら僅かに怖ろしき物の一瞥を竊む小兒の如く、辛うじて近....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
の衣を襲へり。歩をうつす間、高草の底に横はりたる大理石の柱頭に蹶《つまづ》きて倒れ、また起き上りて帝王
堡《ていわうはう》の方を仰ぎ見つ。高き石がきは、纏《まつ》はれたる蔦かづらのために、いよゝおそろし氣《....