「僻見」より 著者:芥川竜之介
に登らんとす。曰、豊聡耳王《とよとみみのみこ》の創むる所にして、年を閲すること既に一千余、唯魯の霊光の
巍然として独り存するのみならずと。余|肯《き》かず。遂に世粛を見る。明年西帰し、再び到れば、則ち世粛已....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いとう》など生《お》ひ上《のぼ》りたるが、その巓《いたゞき》にはチウダレイクスが廢城の殘壁ありて、猶|
巍々《ぎゞ》として雲を凌《しの》げり。(譯者云。東「ゴトネス」族の王なり。西暦四百八十九年東羅馬帝の命....
「橋」より 著者:池谷信三郎
車の行方に続いていた。その涯の所に突然大きな建物が、解らないものの中で一番解らないものの象徴のように、
巍然《ぎぜん》として聳《そび》えていた。彼はそれを監獄だと信じていた。 やがて馬車は入口に近づいた。....