「追憶」より 著者:芥川竜之介
にいろいろの見世物を見たものである。風船乗り、大蛇《だいじゃ》、鬼の首、なんとか言う西洋人が非常に高い
桿《さお》の上からとんぼを切って落ちて見せるもの、――数え立てていれば際限はない。しかしいちばんおもし....
「LOS CAPRICHOS」より 著者:芥川竜之介
黙々と塔の上にかかつてゐた。 もう一人は風見《かざみ》の鶏だつた。これはびつくりしたやうに、ぎいぎい
桿《さを》の上に啼きまはつた。 最後の一人は大学教授 Dundergutz 先生だつた。これはその後....
「或る女」より 著者:有島武郎
うに注いでいた。 ふと葉子は目の下の枯れ葦《あし》の中に動くものがあるのに気が付いて見ると、大きな麦
桿《むぎわら》の海水帽をかぶって、杭《くい》に腰かけて、釣《つ》り竿《ざお》を握った男が、帽子の庇《ひ....