「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
の平屋根より笑ひ戲るゝ群を見ることを許されしのみ。すべて街のこなたよりかなたへ行くことだに自由ならず。
矧《まして》や「カピトリウム」に登り、「トラステヱエル」(河東の地なり、テヱエル河の東岸に當れる羅馬の....
「食魔」より 著者:岡本かの子
妙味のある片付き方で終った。その病友の生涯と死に対し、伯母の提言はあまりに月並な世俗の義理である。どう
矧《は》ぎ合わしても病友の生涯の継ぎ伸ばしにはならない。伯母のいう末の娘とて自分に取り何の魅力もない。....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
あの街道には、蔭に賑やかなものが潜んでいるようにも感じられた。 一度は藤川から出発し岡崎で藤吉郎の矢
矧《やはぎ》の橋を見物し、池鯉鮒《ちりう》の町はずれに在る八つ橋の古趾を探ねようというのであった。大根....