「僻見」より 著者:芥川竜之介
に強い。(勿論重太郎の同類たる一群の豪傑は例外である。)重太郎の憤怒《ふんぬ》を発するや、太い牢格子も
苧殻《をがら》のやうに忽ち二つにへし折れてしまふ。狒や大蛇も一撃のもとにあへない最期を遂げる外はない。....
「即興詩人」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
雨ふりつゞきて、戸は開けたれどいと闇き小部屋に籠り居たり。わが帆木綿の上なる穉子をゆすぶる傍にて、媼は
苧《を》うみつゝ、我に新しき祈祷を教へ、まだ聞かぬ聖《ひじり》の上を語り、またこの野邊に出づる劫盜《ひ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
だって、構やしません。大まかに掻捜して、御飯、お香こう、お茶の土瓶まで……目刺を串ごと。旧の盆過ぎで、
苧殻《おがら》がまだ沢山あるのを、へし折って、まあ、戸を開放しのまま、敷居際、燃しつけて焼くんだもの、....