「偶人信仰の民俗化並びに伝説化せる道」より 著者:折口信夫
であつて、旅行用具の中に納めて、携帯する事が出来たのだと思ふ。さうした霊物を入れる神聖な容器が、所謂、
莎草《クヾ》で編んだくゞつこであつたのだらう。さう考へて見ると、此言葉の語原にも、見当がつく。くゞつは....
「国文学の発生(第四稿)」より 著者:折口信夫
けて居た。手に提げ、担ぎ、或は其に腰うちかけて、祝福するのがほかひゞとの表芸であつた。 二 くゞつの民
莎草《ハマスゲ》で編んだ嚢《ふくろ》を持つたからの名だと言ふくゞつの民は、実は平安朝の学者の物好きな合....
「放翁鑑賞」より 著者:河上肇
であつたかを示さんがために、写し出したのである。 その雑書と題する詩(剣南詩稿巻五十二)に云ふ、枳籬
莎径入荊扉、中有村翁百結衣、誰識新年歓喜事、一※一犬伴東帰と。そして自註には※犬皆実事としてある。また....